2016 サロマ湖100㎞ウルトラマラソン完走記 ~ レース編その③
60㎞~ワッカ原生花園入口(80㎞)
レストステーションを出てから、調子良く上り坂を走る女性ランナー2人にしばらく付いて行ったおかげで、ようやくリズム良く走れるようになった。
65㎞辺りからは、通称「魔女の森」に入る。
暑い時は木陰が気持ち良く感じられるエリアだが、この日は雨。
私は、何故か「魔女の森」に入ると、いつもだんなのことを思い出す。
今年のサロマでも、「今どの辺りを走っているのだろうか?」、「目は大丈夫だろうか?」など、だんなのことを考えて走った。
「魔女の森」を抜けると、ここからは「お楽しみ」が待っている。
この「お楽しみ」が、先へ先へと脚を進める原動力となってくれ、その先のフィニッシュゲートに私を連れて行ってくれる、と言っても過言ではない。
最初の「お楽しみ」は、68㎞の斉藤商店の私設エイドだ。
沿道の人からも、「斉藤商店まであと1km!」という声援を受けた。
サロマを走るランナーにとっては、まさにパラダイスのようなエイドだ。
斉藤商店のエイドの素晴らしさは、やはり「気配り」に尽きるだろう。
おしぼりは、冷たいものと温かいもの、両方を用意してくれる。
パンやミニトマト、ブルーベリー、オレンジ、ミニシャーベットなど、フードも豊富だ。
毎年ボランティアの方の気配りがありがたく、また「頑張ろう!」と気力を振り絞ることが出来る。
次の「お楽しみ」は、斉藤商店を出てすぐの、旅人宿さろまにあんの応援。
例年は屋根の上で大漁旗を降って応援してくれるのだが、今年は雨のせいで地上での応援だった。
「いつもありがとう!」と手を振って、通過。
道を左折し、すぐのところに70㎞関門がある。
その5㎞ほど先に、次の「お楽しみ」、鶴雅リゾートの私設エイドがある。
鶴雅リゾートがはっきりと見えるようになったが、走っても走っても、なかなか近付かない。
50㎞以降距離表示が1㎞おきになるが、「1㎞ってこんなに遠いんだっけ?」と毎年思わされるのが、この辺りだ。
鶴雅リゾートのエイドでは、水やスポーツドリンク以外に、お汁粉とそうめんを出してもらえる。
そうめんにありつけたのは、昨年のサロマで100㎞の自己ベスト(10時間55分26秒)を出した時だけ。
今年も残念ながらそうめんは残っていなかったが、しっかりお汁粉は頂いた。
疲れた体に、お汁粉の優しい甘みが染みた。
紙コップの水の中には例年通り氷が入っていたが、鶴雅リゾートのエイドの方は飲み頃の温度にしたお湯も準備していた。
雨が降って、肌寒い気候に対応したのだろう。
ホテルらしい細やかな気遣いだと感心。
エイドを出た後、少し先の公衆トイレで、再びトイレに入った。
例年、鶴雅リゾートのエイドを出てから、ワッカ原生花園に到達するまでの約5㎞が、精神的に一番厳しく感じる。
その間、沿道に咲いているルピナスの花にいつも元気をもらっている。
2010年のサロマで、初めてこの花を見てから、大好きになった。
※ レース翌日、網走で撮影。
力を与えてくれるのは、ルピナスの花だけではなかった。
雨の中、沿道から声援を送ってくれたラン友さんも、私を後押しをしてくれた。
レース終盤の辛いところで、沿道に知っている顔を見付けるだけでも、元気になれるものだ。
雨の中、応援して下さったラン友さんに、感謝したい。
そして、ついに、レースのクライマックス、80㎞地点のワッカ原生花園へ。
80㎞の通過タイムは9時間36分44秒。
ここまで、エイドやトイレで立ち止まった以外は、一度も歩いていない。
制限時間13時間以内の完走という当初の目標は、達成可能に思えた。
精神的には、かなり楽になった。
~続く~
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